下痢

下痢について

下痢について

下痢とは、腸内で栄養分などの吸収を終えて体外に排泄される便に水分が通常より増えてしまった状態を言います。
多くの人が短期間の下痢を体験していると思いますが、下痢の状態が1か月以上続くと慢性的な下痢状態と言え、腸の病気なども考えられます。血液や粘液が混じったりするケースなど緊急の治療が必要な下痢もありますので、便の状態に気をつけて観察する必要があります。

早急な受診を必要とする症状

  • 普段ならすぐに回復する下痢が、何日経っても治らない

  • 高熱や激しい下痢がある

  • 下痢以外にも吐き気や嘔吐などの症状がある

  • 尿が少ない、喉が乾くなどの脱水症状がある

  • 便が出たあとも腹痛がずっと続く

  • 便に血が混じったり、粘液が混じったりしている

また、市販の下痢止めなどの服用は、感染性の下痢などではかえって病原体を体内に留めてしまい、悪化させることがありますので、注意が必要です。
上記のような症状があったら、すぐに受診してください。

下痢の原因

急性下痢、慢性下痢など、下痢のパターンによって原因は様々です。それによって受診が必要か、治療が必要かなど、その後の行動も異なります。
便中の水分が増える原因としては、水分の供給が過剰になっている浸透圧性下痢、水分が吸収されにくくなっている滲出性下痢、水分が吸収されることなく便が通り過ぎてしまう蠕動運動性下痢という3つのパターンがあります。

浸透圧性下痢

お酒の飲み過ぎや油っこい食べ物の食べ過ぎなど、食生活をはじめとした日常生活に影響を受けるタイプの下痢です。飲みすぎ、食べ過ぎなど腸内の栄養が多すぎることで吸収をうまくできず、便中の水分が増えた状態です。 

蠕動運動性下痢

腸では蠕動運動が行われ、蠕動運動により食べたものを肛門へと送り出しています。ストレスなどにより通常より早く蠕動運動が行われることで、十分に水分を吸収することなく肛門まで達してしまうことがあります。この場合、便として固まらなくなり、下痢の状態になります。代表的な疾患に過敏性腸症候群があります。

滲出性下痢

腸に炎症があることで、血液成分や細胞内の液体が腸粘膜から染み出て、便の水分量が増えた状態です。代表的な疾患に、潰瘍性大腸炎クローン病があります。この場合、炎症により腸内で水分の吸収能力が低下していることもあります。

下痢や便秘が長期間続くにもかかわらず、大腸カメラ検査など検査を行っても異常が見られないことがあります。検査で異常が見られないが、症状が継続するという場合、過敏性腸症候群が疑われます。
ただし、長期間下痢や便秘という症状がある場合、大腸カメラ検査をはじめとした適切な検査をしなければ、大腸がんなどの疾患を見落としてしまうことがあります。深刻な疾患ではないかと不安になる前に、まずはお気軽に大腸カメラ検査も対応している当院までご相談ください。当院では、検査だけでなく治療においても、患者様の負担をなるべく軽減できる治療法を提案していきます。お気軽にご相談ください。

よくある質問

市販の下痢止めを使用しても良いですか?

処方薬と同じ成分が入っている市販薬に関しては、処方薬同様の効果を期待できますが、患者様それぞれに合わせた適量、有効成分量を服薬していただくためには一度、医師による診察を受けることをお勧めします。また、市販薬の服用により一時的に症状が改善しても、何らかの疾患が隠れていた場合に根本的な解決はできないため、大腸カメラ検査をはじめとした検査を受けていただく事をお勧めしています。

下痢になった場合、お勧めの食べ物はありますか?

ジャガイモやニンジン、白身魚、ささみ肉、脂肪の少ない肉など食物繊維が少なく消化の良い食べ物が良いとされています。柔らかく調理し、よく噛んで召し上がっていただく事が大切です。

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